2009年2月10日

DVDメモ

うさうさが御用達のレンタルビデオ屋さん。毎週金曜はレンタル料半額になったので金曜日に借り溜めするようになりました。3〜4本を一気に借りて、1週間かけて育児の合間にのんび〜りと鑑賞。これも近所にできたライバル店TSUTAYAお陰ですね♪


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「ラスト・コーション」
 2007年/アメリカ・中国・台湾・香港
 監督:アン・リー 
 出演:トニー・レオン、タン・ウェイ、
    ワン・リーホン   

 
 うさ評:★★★☆☆

日本公開同時、とっても観たかったアン・リー監督の最新作。その時は妊婦だったので約2時間半という長尺ゆえ断念。DVDが出るのを心待ちにしておりました。

台湾人でありながら英国女流作家ジェーン・オースティンの小説「分別と多感」を映画化(「いつか晴れた日に」)したり、「アイス・ストーム」では最後までチンプンカンプンな崩壊家族を描いたり、「グリーン・デスティニー」では本家中国のようなワイヤー・アクション映画を作ったり、そして前作品「ブロークバック・マウンテン」では60年代の保守的なアメリカの土地を舞台に、当時はまだタブー視されていた男同士の同性愛について描いたり・・・と、とにかく多種多様なジャンルに挑戦するアン・リー監督。

この「ラスト・コーション」は、抗日運動に身を投じた工作員のワン(タン・ウェイ)が、日本傀儡政権の特務機関のトップであるイー(トニー・レオン)にハニートラップを仕掛け、暗殺を企てようとするのですが、逆に彼との愛欲に溺れて行ってしまうという、壮絶な歴史ドラマを背景にした激しくも哀しい愛の物語。当時の魔都・上海が舞台です。

題材的にはどっかで聞いたことあるような内容で先が読めてしまいます。実際にこのストーリーは鄭蘋如(テンピンルー)という実在した女スパイをベースにしているそうです。あの当時は「東洋のマハタリ」こと川島芳子とか、そんな女スパイが中国には沢山いたんでしょうね〜。。

ある意味こんなありふれた題材をアン・リー監督はどう演出するのだろうかと、とても楽しみにしていました。が・・結論から言うと、絶賛の声を聞いていたけど、残念ながら期待ほどではありませんでした。

豪華な上海の街並みとか(セット代掛かっていそうだね〜。一部ちょっと書割っぽいとこあったけど、苦笑)、当時の特権階級の有閑マダムたちの生活とか、学生運動家たちの稚拙な行動の顛末とか、見所はそれなりにありましたが、肝心のワンとイーがなぜそこまで惹かれ合い、愛に溺れいくのか、そこんとこの心理描写がとても弱いように感じました。

そもそもワンがそこまで抗日運動にのめり込む理由もなんとなく唐突というか・・。お父さんが再婚して居場所がなくなってしまったから?恋心を頂いていたクァンのため?ただの愛国心?たぶんそんなところなんでしょうが、もう少しその部分も丁寧に描いて欲しかったですね。

結局はワンとイーの関係も、抗日運動にのめり込んだ可哀想な学生と(しかもプロの工作員に利用された感アリアリだし)、誰も信用できない孤独な男という図式以上にはならないのかな、と。

さらに違う意味で話題になった情事シーンも、そこまではいらんだろう・・と思いますね。むしろあそこまでやるのなら、もっと二人の心理状態を深く掘り下げて描いて欲しいです。ちょっとした仕草や表情だけでも十分この二人の愛憎は表現しきれるのでは??この部分ではワン役のタン・ウェイは素晴らしい演技力を持っていると思うし。

どうしてもこの映画をシャーロット・ランプリングの代表作「愛の嵐」と比較してしまうのですよね〜。ナチズムという時代に翻弄される男女の歪んだ愛憎を描いた作品ですが、やはり「愛の嵐」くらい精神状態ギリギリで描かないと、ああいうシーンの必然性を感じませんね〜。

かな〜り期待していただけに、NHKの世界の歴史シリーズを観た感じで終わってしまいました。★5つを期待したいので、残念の一言。



「ジェーン・オースティンの読書会」
 2007年/アメリカ
 監督:ロビン・スウィコード 
 出演:キャシー・ベイカー 、マリア・ベロ、
    エミリー・ブラント、
    ヒュー・ダンシー


 
 うさ評:★★★☆☆

ジェーン・オースティンのファンが6人集まり(うち一人の男性は成り行き上の参加)、毎月1冊ずつオースティンの本を読み、感想や意見を述べ合う読書会を催す。それぞれは様々な悩みを抱え、オースティンの作品の中に「解毒剤」を見出そうとする。オースティンの物語のように、現代に生きる彼らの複雑に絡み合った人間模様を描き出した作品。

映画好きの友人Mからオススメされ借りました。思わずオースティンの本を読み返したくなるような作品。地味ながらもそれぞれキャラもいいし、見終わった後に心地よい清涼感を感じる作品でした。もちろんオースティンを知らない人でも楽しめます。

6人それぞれが抱える悩み、葛藤。読書会と同時進行で進んで行くのですが、なんとなく映画「マグノリア」を思い出しました。あちらは一見無関係な人たちが最後にはどこかで繋がって行くのですが、この作品ではオースティンを通じて繋がって行くのです。奇しくも最後にはマグノリアと同じエイミー・マンの「Save me」が使用されていたし(笑)

友人Mも言っていましたが、こういう読書会、いいかも〜♪でも、日本だとカルチャーセンターとかで年配のオバチャンたちがやるようなカンジになっちゃうのかな?(苦笑)

2 件のコメント:

morimori さんのコメント...

う~ん、たったの三ツ星だったか!まあ、うさうさ好みの映画じゃないのかもね。静かな、何も起こらない内容だから。こういう読書会を開きたい!うさうさも子育てが落ち着いたら是非、参加して下さい。メンバーを募ろうと思う。

吉村うさうさ さんのコメント...

>morimori
いやいや、かなり★4つに近い3つです(笑)読書会という内容もそうなのですが、こういう複数の話が同時進行していくストーリーって意外と好きなんですよね〜♪

読書会、いいですよね〜♪アヒル氏が夏目漱石の読書会だったら参加すると言っていました(笑)