2007年12月27日

映画:やわらかい手

うさ評:★★★★☆

体調も良好なので、久しぶりに映画を観に行こうとBunkamuraのル・シネマ@渋谷へ☆
今や長時間座っていることが困難なので、作品をチョイスするにあたって重要だったのは尺が短いこと!(最近の映画って2時間越えるモノが結構多いですよね〜、涙)

おすぎと筑紫哲也が絶賛して紹介していたイギリス映画「やわらかい手」。内容も興味深かったけど、何よりも103分という尺の短さで決めました(笑)

あらすじは・・
難病に苦しむ孫の手術費を捻出するために、仕事を探し始めたの未亡人マギー(マリアンヌ・フェイスフル)。長引く闘病生活の治療費工面ですでに家も抵当に入り、もはや借金することもできない。
し かし現実は厳しく、職歴もない年老いた専業主婦のマギーに仕事なんてあるハズもなく、途方に暮れていた時に目にしたのが、繁華街地区ソーホーでの高 給な接客求人だった!その「接客内容」も知らず飛び込んで来たマギーに呆れるお店のオーナー。が、彼女の「手」を見た彼はマギーを雇うことを決める。。

そ の接客の中身とは・・壁向こうのお客さんに手だけでサービスするフーゾク業!一旦は慌てて逃げ帰るマギーだったが、背に腹は代えられず、愛する孫のため、 戸 惑いながらも仕事を始める決心をするが、意外にも隠れた才能が開花し、あっという間に彼女の「ゴッド・ハンド」はソーホーで有名になる。

ネタバレになるのでこれ以上詳しくは書けませんが、ロンドンの中心にあるソーホー地区というのは、中華街もあり、美味しいレストランも沢山ある渋谷のような繁華街なのですが、知っている人が聞けばすぐに「あ〜、そういうお店よね〜(笑)」というような歓楽街でもあります。

内容を文字で書くと結構ショッキングなのですが、そういう描写は全然出て来ないし(一応R指定なんだけど、笑)、むしろ始終喜劇に近いユーモラスな雰囲気が漂い、クスクス笑う場面が多い。人生のどん底にあるはずの主人公になぜか悲壮感は全然感じられないのだ。
た だの冴えないフツーのオバサンだったマギー。愛する孫のため、身を挺してフーゾク業に従事する彼女にはいつしか生きること、そして自分自身への自信が芽 生えて来るのですが、痛々しく見えないのは、マリアンヌ・フェイスフル演じるマギーのちょっと鈍クサイけど(笑)、やわらかく温かい雰囲気と愚直なまでに 真っ直ぐな孫への愛情の深さゆえでしょうね。。

正直、若い独身時代に見ていたら「フーゾク以外になんかもっと他にあるでしょう〜(苦笑)」と、感情移入はあまり出来なかったかも!?今だからこそ、ちょっぴり共感できる部分があるかな(笑)

し かし、このマリアンヌ・フェイスフルという女優、かつてはミック・ジャガーの恋人でもあり、アラン・ドロンとも共演したことがある60年代の伝説の ミューズだそうで。。(その後ドラッグとアルコールに溺れフェイド・アウト!)そんな全盛期時代を全く知りませんが、今は見る影もなく体型も顔も見事なま でにただのオ バサンです!(それがとてもいいのですが。。笑)

そして、「ん!?この人どっかで見たことがある!」と思ったフーゾク店のオーナーはエミール・クストリッツァ監督作品でお馴染みだったミキ・マノイロヴィッチ。感情表現が苦手な無骨な男を好演してます。(これがまたいいのだ!)

最後のあの直接的なシーンはちょっと不要だったのでは?と思うけど、ホロリと心温まる終盤に、(たぶん)今年最後の鑑賞映画として、本当に良い映画を観たなぁ〜と思いました♪

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