2007年9月27日

映画:ミス・ポター

うさ評:★★★☆☆

「ミス・ポター」と言って、すぐピンとくる人は相当のイギリス通か、タダのうさぎ好きか!?(笑)

この映画「ミス・ポター」の主人公ビアトリクス・ポター(レニー・ゼルウィガー)とは、世界で最も有名なうさぎ「ピーター・ラビット」の作者。その彼女の半生を描いた作品です。
封 建的な風潮が色濃く残るヴィクトリア王朝時代末期のイギリス。ロンドンの裕福な家庭に育ったビアトリクスは「女性は結婚こそが一番の幸せ!仕事を持つなんてもってのほか!」という社会の中で絵本作家としてデビュー。それがピーター・ラビット・シリーズの始まりとなります。

この映画はピーター・ラビットの話ではなく、時代を先行く一人の女性の生き様が淡々と、でもしっかりと描かれています。
特に何かがドラスティックに起こるワケではなりませんが、美しいイギリスの田園風景とちょっぴり切ない恋物語にジワリとくる映画!そしてあの時代に職業婦 人として強い信念を持ちながら生きた彼女に思わず拍手を送りたくなるような映画です。特に仕事を持つ女性にとっては、とても共感できる作品ではないでしょ う か!?
ただピーター・ ラビットの絵本が誕生した経緯などは一切描かれていないため、知らない人にはチョット??となってしまうトコがあるかもしれませんね。。


映画の中でも登場するイギリスは湖水地方の話を・・。

ポターが愛して止まなかった湖水地方(Lake District)とは、イギリスらしいなだらかな丘陵と点在する湖が美しいイギリス北部の田園地帯で、多くの人が避暑で訪れる観光地です。
ポターもまた小さい頃から避暑に来ていたこの地が大のお気に入りで、ピーター・ラビットのお話も、この田舎の自然と沢山の動物たちからインスピレーションを得て書き始められたモノです。

彼女は後年絵本の印税で得た莫大なお金と親の遺産で自らこの地方の土地一帯を購入し、作家活動と共に湖水地方の自然を保護する運動に心血を注ぎます。。

うさうさもイギリス滞在中には2度程湖水地方を訪れ、劇中にも出て来ますが、ポターが本格的に執筆活動を始めた時に移り住んだ農場「ヒルトップ」へも行きました。
あの美しく保存された田園風景を実際に見ているので、ただでさえあの時代に女性が職業を持ち自立することが大変な上に、その富と名声の全てを自然保護に費やしたいう彼女の精神の素晴らしさに感動しましたね〜☆

現在湖水地方はポターの意志でナショナル・トラスト(歴史的名勝と自然的景勝地保護を目的として英国で設立されたボランティア団体)管理の元、ポターが生きていた100以上も前と変わらぬ姿で存在しているのです!本当にスバラシイ風景なんですよ〜!

*写真がないのが残念なので、ご興味のある方は湖水地方カンブリア州のサイトに「ミス・ポター」ロケ地の特集などもありますので、こちらをどーぞ

また彼女は絵本作家と同時に優秀なキノコ研究者でもあったようで、沢山の植物画も残しています。上の写真はヒルトップの家(ここもナショナル・トラストが管理してます)で購入したポターの画集。

ちなみに以前「トリビアの泉」で紹介された「ピーター・ラビットのお父さんは、農夫のマクレガーさんに捕まりミートパイにされてしまった・・」というネタ は、15年以上も前からうさうさのお気に入りトリビアでした(笑)。ミートパイってとこがグリム童話のようにシュールですね。。(涙)

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