うさ評:★★★★☆
前回の「選挙」に続いて、ドキュメンタリーと言えばこの人!マイケル・ムーアの最新作「シッコ」を鑑賞。
今回はアメリカ医療保険について、悪夢のような現実を暴いた作品。。
先進国の中で唯一、国が運営する「国民健康保険制度」がないアメリカ。アメリカ人は民間の保険会社に加入するしかないのですが、実際には6人に1人が未加入。毎年1万8千人がちゃんとした医療も受けられず死んで行く。。
ア メリカの医療保険の多くは、「HMO(健康維持機構)」という民間保険会社が医者に給料を支払うというシステム。よって保険料を支払いたくない儲け重視の 保険会社がいかに被保険者に保険料を支払わないか、イコール医者たちはいかに患者に「あなたは治療不要です!」と宣告するのかに心血を注ぐという恐ろしい 管理システムになっているのだ!
より多く治療不要と診断した医者はボーナスまでもらえ出世して行くという、到底人の命を救う医者とは思えないような行為が奨励され優遇されるのがアメリカ社会なのだ。
映 画の中では、最初から難癖を付けられ保険会社に加入拒否される人たちや、加入できたとしても病気になったら、あれこれ粗捜しされ、理由を付けられて支払 いを拒否される人たち、それが元で莫大な医療費を自己負担しなければならず自己破産にまで追い込まれる人たちが登場する。
さ らに、そんな保険制度の中で莫大な利益を出して行く保険会社と、そこから献金をたっぷり貰い、「国民健康保険制度は社会主義化だ!」と理論的に信じ難いこ とを平気で言い放ち、国民健康保険制度が出来るのを阻止し、果ては保険会社へ天下る政治家たちの空恐ろしい現実も浮き彫りにしている。
また、その反対に医療費がほぼ無料というイギリス、フランス、カナダやキューバを紹介。
「自 由の国アメリカ」を自称し、世界の警察官気取りで戦争にばかり莫大なお金を使い、一方で国民は満足に医療すら受けられず野垂れ死にするしかないアメリカと いう国。「多くの税金を支払っているのに、国民が医療を受けるのになぜお金が必要なの?」と笑うイギリス人、フランス人たちとの対比を見ていると、本当の 意味で「豊かな国」とはどこなの か?と考えさせられる。
この映画を観て、つくづくアメリカ人に生まれなくて良かった!と心底思ったうさ うさ。それはイギリスにいた時、 一介の外国人であるうさうさが救急で数日間入院したにも関わらず、一銭もお金を取られなかった経験を自ら体験しているからかもしれない。。(もちろんイギ リスやフランスだっていろんな問題点はあるけど・・笑)
日本の国民保険制度も徐々に変化し、国民の負担も多くなっている今、他人事ではなくなっている日本の医療制度。ぜひ多くの人に観てもらいたい作品です。
4 件のコメント:
早いですね〜。前2作とはちょっと雰囲気が違うと評されていましたが、いかに。
米・ドラマのERを見ていても「保険でカバーされていない」という台詞がよく出てきてました。
医療事情は国によって異なるものなのですね。
それにしても早く見たい、が、いましばらくおあずけです(涙)
マダム、こんにちわ〜♪試験勉強頑張ってますか!?(笑)
そうですね〜、前作のような要人たちへの突撃レポートがないので、その分大人しくなったカンジはありますが、それでも十分興味深かったです。
いや〜、本当にアメリカの医療保険制度って考えさせられますね。。義妹夫婦もいつも日本で大量に子供用の風邪薬とか買って帰ります(笑)日本では処方箋は要らないし、安いしと。。
映画で観ると、イギリスやフランスは医療パラダイスのように描かれてますが、それはそれでいろんな問題点があるのを認識してないとダメなのですが、それを鑑みても、アメリカには住みたくないなぁ〜と思いました(笑)
社会派マダムにはぜひ観て頂きたいで〜す♪
さっき読んだばっかりの内容なのに、頭の新陳代謝は早くてさっさと忘れてしまうのがネックです。
へぇーー妹さんたちはお薬買って帰るのですか・・、そういう物なのですね〜確かにTVドラマでも「処方箋、処方箋」言ってます。中国からの観光ツアーにはドラッグストアが組み込まれているそうです、日本製は「安心」だからだそう、これまた違う理由ですけどね。意外なお店にお土産需要がありますね。
中国人の観光ツアーにドラッグストアが入っている話、何かのニュースで見ました!アヒル氏のお母さんも日本の薬の方が韓国の薬より身体に合うと言って、帰郷前に1ヶ月分の薬を病院で処方して貰って帰りました。
まぁ、人にもよるんだと思うけど、日本製はあまり強くないという話は聞きますよね。。反対に外国の薬は強すぎるとか・・。
でも、薬害エイズ問題もあるので、決して日本の薬=安全、ではないんですけどね。。(苦笑)
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