終戦記念日

今年もやってきた８月１５日。

外国に住んでいると、この８月１５日にはいろんな経験をします。まさに所変われば・・という日。

２つの世界大戦に直接参加し、勝戦国となったイギリス。大戦中は日本の支配を受け、戦争終結により国権を取り戻した韓国。２つの異なる背景を持った国で迎えたことのある８月１５日は、ある意味とても貴重な経験でした。


２年前ソウルで迎えた８月１５日。日本では終戦記念日ですが、韓国では日本の植民地支配から解放された記念すべき日ということで「光復説」という祝日になっています。

その日は日本人は外出してはダメとかいろんな噂があり、ちょっとドキドキしていたうさうさ。ソウル中心地や日本大使館前ではもれなく反日デモがありましたが、うさうさが住んでいたソウル南部では結局のところ何もありませんでした。（そもそも日本大使館の前は連日何かしらの反日デモがあるしね、笑）


第１次と第２次世界大戦の勝戦国イギリス。

この日のイギリスは勝戦記念日なので、それはそれは盛大なパレードが行われ、それがテレビ中継までされます。今やヨボヨボのおじいさんになった退役軍人たちが軍服の上に立派な勲章を胸に付け、とても誇らし気にパレードに参加している姿はまさに勝戦国ならでは。当然みな英雄扱いです。

連日テレビでは「D-Day」に始まり、いろんな戦争番組が放送されるので、毎年この時期、日本人はなんだか肩身が狭く、居たたまれない気持ちになります。（韓国でもきっと反日番組があったのでしょうが、韓国語が分からなかったので、あまり実感はなく・・）

イギリスの場合、極東の日本（＊）よりもどちらかというとドイツに対する風当たりが強いので、在英ドイツ人はどんな気持ちでこの日を迎えているんだろう・・と思ったりもしました。

＊イギリス人の中には第一次世界大戦時に日本とイギリスが「日英同盟」を結んでいた同盟国だったことすら知らない人が意外と多い。。（苦笑）


戦争ににおいては、どうしても敗戦国＆加害国という負の歴史しかない日本ですが、イギリス南西部のポーツマスで出会ったおじいさんの言葉が忘れられません。

ポーツマスはイギリス最大の軍港の一つで造船の街でもあるのですが、王立海軍博物館の近くをウロウロしていたら、いきなり「君は日本人か？」とおじいさんに声を掛けられたうさうさ。こういう場所でこの年代のおじいさんに声を掛けられると必ず戦争絡みの話になるのが常なので、今までの経験上めちゃめちゃ警戒していました。

「私は第２次世界大戦中にインドネシアにいて日本軍の捕虜になった。」と切り出したおじいさん。「ほら、来た、来たよ〜」と、ますます警戒心を募らせるうさうさ。

が、そのおじいさんが続けた言葉は。。

「捕虜になっていた時、日本軍は私を人間としてとても丁重に扱ってくれた。それを今でも感謝している。ありがとう。」と、孫くらいに歳が違ううさうさの手を握って来たのです。

いつもと違う展開に、ちょっとボーゼンとした記憶があります。こういう経験も海外にいたからこそ。


今年は子供を持って初めて迎えた８月１５日。
うさこの寝顔を見ながら、今までにはない感情が湧いて来ます。


今さらながら、戦争のない世界平和をしみじみと考えさせられる１日でした。

合掌。